東西分断モノ(仮)

・南海トラフの被害想定に対するコメントで「内戦が起きそう」とあったのを見て「ふむ…」と思って書いたものです。気が向いたら補足していこうかなと思います。

沿太平洋大震災

沿太平洋大震災は2019年5月15日に発生した東南海地方太平洋沖地震(南海トラフ巨大地震)および同年6月30日に発生した神奈川県北部直下型地震(首都直下型地震)による災害である。

  厳密にはこの二つの地震は全くの別物であるが、複合災害として有史以来稀にみる甚大な被害を発生させたことから、両地震を合わせて沿太平洋大震災あるいは太平洋沿岸部大震災と呼ばれる。

 

【各地震概要】

 ・東南海地方太平洋沖地震

 震災前呼称は南海トラフ巨大地震。第一波の震源地は駿河湾沖で規模はマグニチュード9.5。第二波の震源地は三重県沖で規模はマグニチュード9.1。第三波の震源地は四国沖でマグニチュード8.9。これらの地震が同日中に発生し巨大な津波を引き起こした。震災前の想定被害者数は死者・行方不明者約32万人であったが、実際の被害者数は死者50万人以上行方不明者60万人以上という結果になった。

  ・神奈川県北部直下型地震

 震災前呼称は首都直下型地震。神奈川県北部、川崎市周辺を中心に発生し規模はマグニチュード8.7。前月の東南海地方太平洋沖地震に続く大規模地震であり、震源の浅さもあり甚大な被害を起こした。死者は約10万5000人、負傷者は45万人という結果になった。この地震により当時の日本の政治首脳部が壊滅した。

 

 【対応】

  首都直下型地震によって当時の政権与党関係者が罹災し日本は政治的空白が生まれる状況となった。西日本では首都圏が壊滅した直後から与党関係者が臨時内閣を組閣しようとしたが、国会閉会中に閣僚が全滅してしまったため正規の内閣を組閣できない状態となり、国会を開こうにも召集する議員も招集する手段もない状況となっていた。この状態は半ば寸断されていた東日本においても同様であった。そのため、事態の解決にある程度の目途が立つまで機能している地方行政府が自治を行い、東西の連絡路を確保することが優先事項とされた。

 この間、自衛隊や在日米軍の一部は救援活動を行っていたが東南海地方の部隊は前月の東南海地方太平洋沖地震によって壊滅的な被害を受けていたほか、首都圏が壊滅した後は指揮系統が麻痺していた。特に米第七艦隊と海上自衛隊第一護衛隊群は横須賀港が壊滅的な被害を受けた影響で多くの艦艇が出港できる状況に無かった。

 

【各国の対応】

  日本が事実上の無政府状態となったことは各国に衝撃を与えた。米国は日本の救援を優先しようとしたが、日本の正当な政府の要請がないまま日本国内に救援部隊を展開するのは日本の主権を脅かすとされ中露から激しい反発を受けた。7月5日には緊急の米中露会談がワシントンで行われ、すでに東南海地方太平洋沖地震の復興支援で展開していた米国は西日本地域の救援を担当し、中露の合同救援部隊が首都圏の救援活動を行うことで双方が同意した。この際に形式的に米国には大阪府から、中露には北海道から支援要請を出すことで日本の主権に対する"配慮"とした。

 

【復興と難民】

  その後、東西に寸断されていた日本は米中露政府に多額の借金を負う形で復興を進めようとしていたが、ロシアは多額の復興費用の出資に難色を示し日本の復興事業から離脱。さらに一連の災害で発生した難民の対処が米中の対立を招いた。米国は地理的に近い中国や韓国、台湾に難民を一時的に避難させるべきだとしたが中国はすでに多額の資金を日本の復興のために提供していることを理由にこれを拒絶。韓国や台湾、東南アジア、欧州や南米の一部が計50万人ほどの日本人難民を受け入れたが、各地で反発を招く結果となった。また、それでも国内には国外に一時避難するべき難民がおよそ400万人存在した。

 

【その後】

  米中の対立は深刻化し、日本の東西の連絡路の確保は難航した。次第にかろうじて残された北陸を経由する東西の接続も米中の"援助部隊"によって封鎖される状態となった。

  対立が深まる中、米国政府は関西地方や九州地方の自民党関係者に内閣を組閣するように指示した。それに反発した中国政府は日本共産党の議員から一部を引き抜き「日本労働者共産党」を結党させ、東日本の政府として機能するよう支援した。

日本人民民主共和国

日本人民民主共和国(Japan People's Democratic Republic:JPDR)は東西分断後の東側の日本。政治体制は日本労働者共産党一党独裁

 首都は東京とされるが、沿太平洋大震災によって壊滅して以降復興が難航しているため首都機能は北海道の札幌市に存在する。中国の支援を受けて復興しており、与党の日本労働者共産党は中国共産党の傀儡として機能している。

 国内には中国人民解放軍が駐留しているほか、旧自衛隊の一部を吸収し独自の国防組織として人民地上軍人民海軍人民空軍人民防空軍からなる人民軍を保有している。

 

日本国

 日本国(Japan)は東西分断後の西側の日本。政治体制は議院内閣制。与党は自由民主党

首都は大阪府。欧米の支援を受けて復興し、政治体制なども基本的に沿太平洋大震災以前の日本を踏襲している。国内には在日米軍が存在するが、自衛隊を発展させる形で陸海空からなる国防軍を保有している。尚、日本共産党の大部分はこちら側で活動している。

日本労働者共産党

日本労働者共産党(日労党)日本人民民主共和国の政党。同国を一党支配している。

 沿太平洋大震災とその後の米中間の対立によって分断された日本列島の東側を指導政党。

 共産主義の実現と東西日本の統一を最終目標としている。しかし、実態として東日本の復興を担当した中国共産党の傀儡政党であり、実権のほとんどを中国共産党に掌握されている。